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板金屋さんの手の動き

日本の匠(職人さん)の多くは、身体のどこかに痛みを抱えているみたいですね。

野球やサッカーなどのプロスポーツにおいては、野球肘だとかネズミがどうとか言われるように、繰り返し負担の掛かる部位や痛めやすい箇所があり、科学的にも明らかになりつつあります。

同じように、職人さんの身体においても、それぞれ痛めやすい筋肉や部位があるはずではないか?

それぞれの職業における独特な筋肉の使い方を頭に入れながら、治療にあたりたいという思いから、まずは自分で動きを体験して、身体で感じてみることにしました。

ということで、

今日は板金屋さんの動きを体験。

自動車ボディ側面の補修です。

ボクのような素人が他人様の車を触るのは失礼ですので、自分の車でチャレンジしてます。

①パテ練り〜パテ盛り

コテを持った手首の動きが独特ですね。

パテを練っているときや、塗り始めにパテをシゴいているときは、面に対してコテを強く押し付けていました。親指〜手首〜肘まで負担が掛かる動きです。

その後、パテの盛り具合(厚み)をコテの力加減で微調整しています。

実際にやってみましたが、あっという間に上腕外側上顆に痛みが出ました。

少し動きは違いますが、バックハンドのテニス肘に近い感覚でした。

②ペーパーでの面出し

これは独特の動きでした。

中腰スタイルで、補修面に対して45度の角度で削っていきます。

平均的に削れるように、右手で削っていったら、反対から左手で削る。

この繰り返し。

肩甲骨がものすごく動いて、とても疲れます。

腰を曲げた状態が続くので、腰への負担も大きいです。

板金屋さんのお話では、親指の付け根〜手首の痛み、肩〜背中の痛み、腰痛を抱えている方が多いそうです。

職人さんにとっては、身体が資本。

毎日使う筋肉なので、局所的な痛みを軽減することはもちろんですが、痛みの出ている部位以外の筋肉だったり、その原因となる動きを予測しながら、身体全体に気を配った治療をしていきたいと思います。

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